まず、核のゴミの発生源「原発」を止めよう


 核燃料を燃やして発電する原発は、使用済み核燃料と呼ばれる核のゴミを生み出す。この使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す工場が再処理工場である。
青森県六ケ所村にある再処理工場は2008年以降に本格運転に入る予定が、現在でもまだ本格運転にはなっていない。ガラス固化がトラブル続きで再処理工場が完成していないようである。(このような状態の再処理工場の再処理費用は、2006年から私たちの電気料金から毎月徴収されている)
このことには触れないまま、7月28日政府は高レベル放射性廃棄物について「核のゴミ」の最終処分地を「科学的特性マップ」で示し、各地でシンポジウムや説明会を開き処分場選定に向けた調査の受け入れに理解を求めて行く方針だと発表した。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/kagakutekitokuseimap/

しかし再処理工場のガラス固化がトラブル続きで動かず、六ケ所の使用済み核燃料施設も満杯で、各電力会社の原発サイトにも使用済み核燃料が溜まっている状態を国民に知らさず、「核のゴミ」4万本の地層処分地の受け入れに理解を求めるとしている。

これは原発の再稼働、核燃サイクルの新たな推進を図り、核のゴミをさらに増やそうとする政策でしかない。まず原発を止めること、を求める。

この核のゴミ問題について、先日、和歌山県平和フォーラム主催の講演会が開かれた。それに参加したSizukaさんが以下報告する。
◇報告
 どうする原発のゴミ―高レベル放射性廃棄物の最終処分
      7月21日(金)18:30~ 
       県勤労者福祉会館 プラザホープ4Fホール
      講師 末田 一秀さん「はんげんぱつ新聞」編集委員  
      
 原発は湯を沸かしてタービンを回し電気を作りますが、100万kW級を1年間運転すると約25tの使用済み燃料が生み出されます【8月1日修正】。この使用済み核燃料の貯蔵施設は六ヶ所村再処理工場が満杯で、各原発内の貯蔵プールも容量いっぱいに近づいています。

[近く、地層処分の「適地」が政府から公表されます。] 
 政府は使用済み核燃料を再処理して、高レベル放射性廃棄物は<ガラス固化体>として地下深くの地層に処分する計画です。
地層処分の実地主体はNUMO(原子力発電環境整備機構)で、2002年から何百億とかけて公募していましたが、結局候補地がゼロのため、政府が2013年「国が科学的根拠に基づき、より適正が高いと考えられる地域を提示する。その上で、国が前面に立って重点的な理解活動を行った上で、複数地域に対して申し入れを実地する」と決定したものです。

[高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)処分場は危険]
 再処理工場では使用済み核燃料をぶつ切りにし酸で溶かします。溶けない固形物は固体の廃棄物に、さらにウランとプルトニウムを取り出して、残りの超高レベル放射性廃液をガラスと一緒に固め、ステンレス製の容器に詰めます。ガラスで固めるのでガラス固化体と呼ばれます。
再処理工場は、プルトニウムを取り出すため、密封された使用済み核燃料をバラバラに切り刻み、閉じ込められていた膨大な量の放射能を開放します。そのため、原発とは比べものにならないほど大量の放射能が工場の外へ日常的に放出されることになります。原発が1年で出す量の放射能を、再処理工場はたった1日で環境中に放出します。さらに恐ろしいことは、プルトニウムなど、重大事故でない限り原発から漏れださないような種類の危険な放射能が環境中へと出てくることです。気体状の放射能は、高さ150mの排気筒から大気へと放出され、液体状の放射能は沖合3㎞にある放出口から海洋に流されます。

ガラス固化体一本には広島原爆30発分の核分裂が生み出す死の灰が詰まっています。接近すればわずか数十秒で致死量に達するので、取扱いは全て遠隔操作でしか行えません。そして果てしなく長い寿命の放射能が入っています。
 地下深くの作業、搬入時の事故、落盤の恐れや、輸送途中での災害・事故の危険があります。
多重バリアで防護するとしていますが、最後のバリアは地層となっていて、長い寿命の放射能は漏れ出すことが前提です。又、地層処分はTRU廃棄物という再処理工場で発生する雑多な危険物の処分もセットとなっています。これはドラム缶に入れるだけなので放射能が10年で漏れ出します。(NUMOの技術部長も認めている)
 地震国の日本で安定した地層なんてありません。地層処分は将来の世代に取り返しのつかない放射能汚染を押し付けることになります。

[そもそも、再処理➡ガラス固化体 は絵に描いたもち!?] 
 青森・六ヶ所の再処理工場は1997年に完成予定だったがトラブルが相次ぎ完成は23回も延期、莫大なお金をかけて、現在も稼働していません。
計画されている地層処分施設はガラス固化体四万本規模の処分場とされますが、同時にプルトニウムが400~500tできます。これは世界の保有核兵器相当分以上の量となり、あり得ません。高速増殖炉もんじゅが廃炉に決まり、プルトニウムをどうするのでしょうか?
 使用済核燃料を直接処分する方法を検討した時期もあります。が国は直接処分すると容器が大きくなり処分場容積が増える、放射能の減衰期間が長くなる。などの理由をつけて再処理することを選んだのです。スウェーデンは直接処分を選んでいます。

[核のゴミを考え、原発再稼働NO!]
地層処分の適地は、海岸から20キロ海底下も候補となります。文献調査からはじめますが、過去の研究施設の例をみても、「反対の場合は次の段階に進まない」は欺瞞です。誘致の動きを封じ、拒否条例を制定した自治体もあります。
 厄介な放射性廃棄物はこれ以上作り出さないことです。再稼働させながら、廃棄物処分を考える政府の姿勢はきっぱりと拒否すること、地層処分の話をきっかけに核のゴミを考え、原発再稼働なんかとんでもないというようにしていきましょう。
西郷.png

☆会場からの質問
Q:電力会社は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の場所を求めている。和歌山県にも関西電力立地部がある。この電力会社の動きとの関連は?
A:福井県の使用済み核燃料は、今後数年以内にどこかに持っていかないといけなくなる。これは、NUMOの地層処分とは別個な動きで、電力会社はNUMOが来ることで、反対の動きがおこるからあまり来てほしくない。使用済み核燃料は非常に危険であり、中間貯蔵施設といっても、最終処分が決まっていない。今から条例を作るなどして、拒否の姿勢を示すことが必要です。

☆講演を聴いて
 既に、どうしようもない核のゴミ(死の灰)が大量に貯まっていることに愕然とします。 
 原料を採掘する時も、発電しているときも放射能を出し続け、廃炉するのも難しい原発。
 低レベル(といわれる)放射性廃棄物で300年、そして高レベル放射性廃棄物は何万年も管理しなければならないことを考えると、原発は発電所というより、放射性廃棄物製造所です。
 壮大な地層処分施設の実現性にも疑問ですが、再処理工場が稼働できてないのにガラス固化体ありの幻想を進めるNUMOの姿勢は疑問です。
 危険な高レベル放射性廃棄物処分場や中間貯蔵施設は受け入れられないし、原発を動かしてはいけないと改めて感じました。

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